制作者インタビュー第1回(やさにき先生)
導入 同人エロゲ制作者をもっと知りた〜〜〜〜〜〜〜い!! という需要、めちゃめちゃあるのにやってくれる人あんまりいないよね… …… …… …… じゃあ、私がやるか。 ということで始まりました。ゲ[…]
導入
同人エロゲ制作者をもっと知りた〜〜〜〜〜〜〜い!!
ご好評いただいております同人エロゲ制作深掘りインタビュー!
早速の第2回ということで、本日のゲストはこの方!!
全裸徘徊女子大生 はずかしーなちゃん (18)でおなじみ、
サークル「かわいそうなのは抜ける」の
ヌケル先生です!
X(旧Twitter)アカウントはこちらから
ーはじめまして!
はじめまして!
ーお会いできて嬉しいです!本日はよろしくお願いします!
よろしくお願いいたします!
本編
同人エロゲ制作を始めるまで(前)
ーまず⾃⼰紹介からお願いします。
はい。ヌケルと申します。2020年頃からイラストを描き始めて、それをネットに上げる活動をしておりました。去年2022年に初のエロ同人ゲームを発売いたしまして、それ以降はゲームを中⼼に制作させていただいております。
ーありがとうございます。2020年にイラスト活動から始められた?
そうですね。2020年のたしか夏ごろですかね。⼀番初めのイラストをPixivに上げまして。
ーはい。
そこから幸いなことにイラストを見ていただいた方からSkebの依頼が入りまして、「Skebでお金もらいながらイラストが描けるのラッキーだな」と思いつつ、Skebの依頼をひたすらこなしていくという活動をしていました。最終的には2年間でSkebとPixivリクエスト合わせて120件くらい納品しましたね。
ー120件!2年間で120件…でしたら5⽇に1作品ペースぐらい?
それくらいですね。1週間に1作品くらいです。
ーすごい。それまでイラスト関係の活動はされていたんですか?
イラスト関係の経歴はないですね。イラスト関係の仕事に就いていたとか、関連する業界にいたとかもありません。単純にエロいイラストを描きたくて、全くの0から2020年にイラストを始めました。
ーなるほど。ありがとうございます。社会⼈になってからのご経歴をお伺いしてもよろしいですか。
社会⼈になってから…。一応、今も現役で会社に属しているんですよ。
ーえ、そうなんですね!!
はい。オフ会に参加しても作家仲間に「専業じゃなかったんですか!?」ってよく言われます笑。
ーそうですよね!ちなみにどういう仕事をしているか教えていただいても…?
職種なら⼤丈夫ですよ。いわゆる外資系のコンサルティングファームに勤務しております。
ーええええ!!なるほど。道理で滑舌が素晴らしいわけですね。

同人エロゲ制作を始めるまで(後)
……ちょっとそれ以前のご経歴にも興味出てきたのでお伺いしたいんですけども、⾼校まではどういった学⽣さんでいらっしゃいましたかね。
高校までは結構優等⽣してたんじゃないかなと思いますね。あくまで自己評価ですけども。
ーほえー、名門校とか通われていたんですか?
いや、特に名門校に行っていたというわけではないですよ。普通の公立校だったんで。
ーなるほど、そこでバリバリやられてて学問の⽅は優秀だったと。
それなりですね。
ー中学高校で打ち込んでいたことってありますかね。
部活は野球部に⼊っていて、スポーツは結構やっていましたね。あと、強いて挙げるとするならば学校にノートパソコンを持ち込んでプログラミングをやっていた時期があって、仲間内でホームページ等を作っていましたね。
ーなるほど。プログラミング。(30代で学生から触っていたと考えると)結構アーリーアダプターですね。
そうですね。アーリーアダプターだとは思います。けど当時Twitterも既に日本に⼊ってきて、全国の高校生でプログラミングをやっている方は結構いましたね。
ーそういった人とTwitterで繋がって交流していた?
はい。全国⾼校⽣の有志が集まってインターネット関係の発表会をやる組織がありまして、発表を聞きに行ったりとかしていましたね。
ーほえ〜。なるほどすごいですね。そういった中⾼時代を送られて、⼤学はちなみにどちらに?
ぼかしますけど早慶のどちらかに行っていましたね。
ーすごい。でも、ちょっとそこ(どっちに行っているか)気になりますね。『はずかしーなちゃん』の受け取り方が変わってきてしまうので笑。
そうですね。『はずかしーなちゃん』はご存知の通り、早稲田大学笑。
ー笑。ヌケル先⽣が早慶どちらかによって(馬鹿田大学の)解釈が変わってきちゃうなと思って笑。

でも、将来的には慶応大学も出てくるかもしれないじゃないですか笑。
ーなるほど確かに笑。⼤学時代は何に打ち込まれていました?
⼤学に⼊ったあたりから徐々にタガが外れたというか、はっちゃけが始まるんですけど。
ーなるほど、本領発揮と?
はい。いわゆる飲みサーみたいなところに所属していたことがありまして、そのサークルで⼥⼦⼤⽣といろいろありました。
ー笑。
その他はお⼩遣い稼ぎにアフィリエイトブログ。今JDさんがまさにやられてますけど、そういった感じのブログを結構作っていました。当時⾃分で作品を作ることはなかったんですけど、レビューを書いたりとかして、FANZA…当時はDMMですね、あとDLsiteさんからも報酬をいただいていました。また別のブログでGoogleアドセンスでお小遣い稼いだりとか。そういう収入が結構あったので、大学時代はお金もあって時間もあって楽しく過ごせていましたね。
ーDMMとかDLsiteということはアダルトブログを運営していた?
そうですね。いくつかブログを運営していまして。そのうちの1つがアダルトブログです。あとはニュースのまとめサイトを運営していました。
ーはぁ〜。まとめサイトっておそらくその当時全盛でしたよね。
そうですね。当時結構流⾏っていましたね。
ー実際にどれぐらい収入ありました?
年収でいうと多分500万くらいですね。
ー500!すごいですね。複数ブログ持っていてそのトータルで500?
そんな感じです。
ーはえ〜、さすがですね。その後大学を4年で卒業して今の会社に就職されたんですか?
私の場合は⼤学院まで⾏ってますね。海外とか回ってモラトリアムを謳歌していました。
ーなるほど。モラトリアム延長としての大学院?
そうですね。なんか働きたくなかったんですよ笑。
ー笑。
一応、⼤学卒業する前にインターンシップで社会勉強に⾏ったり、「ワンチャン引っかかったらいいな」って感じで就職活動はしていたんですけど、志望順位高いところだけ受けて落ちちゃったんで「⼤学院行くか」という流れでしたね。
『(レイプされた)紬ちゃんをはげます会』(2022年)
ー「かわいそうなのは抜ける」名義としての⼀発⽬が、『(レイプされた)紬ちゃんをはげます会』
これを出したのはコミックマーケット99、確か2021年12月31日だったと思うんですけど、この作品、初めはダウンロード版で出すつもりはなかったんですよね。
ーそうなんですね。
書籍以外で出すつもりはなかったんですけど、当時DLsiteが同人誌の印刷所への入稿データだけ渡せば商品ページを全部向こうが作ってくれて、しかも卸値も優遇してくれるキャンペーンを実施していまして「じゃあそれなら」という経緯で「かわいそうなのは抜ける」の1作品目としてリリースしました。
そうですね。
ー内容としては、ロリ×セカンドレイプとなっていますが。
はい、まさにセカンドレイプとなっています。
ーこれは最も⾃分が書きやすいジャンルということで描いた?
そうですね。サークル名が「かわいそうなのは抜ける」ということで、かわいそうな女の子が好きなんでそのテーマでやりました。セカンドレイプはあくまでも「かわいそうなのは抜ける」というテーマの中のひとつのジャンルとして捉えていて、基本的にかわいそうであれば何でも良いんですよね笑。
ーなるほど笑。
色々なかわいそうがあって、セカンドレイプって一度レイプされるだけでもかわいそうなのに、さらに第三者からの精神攻撃を受けるわけじゃないですか。それ最高にかわいそうだなって思うんで結構好きなテーマですね。なんかこう…他の作家さんが書いた作品でもレイプとかあると思うんですけど一度レイプしただけで女の子を放り捨てて、ホントにもったいないなと。そういうわけでこの作品はセカンドレイプを題材としました。もし読まれたならご存知かもしれないんですけど、見ての通り某国民的漫画作品をモチーフにしておりまして。

ーちび◯る子ちゃんを観ながらそういうことを考えていた?
というよりは単純にちび◯る子ちゃんが好きだったんで。これをオマージュすれば面白いんじゃないかなと。

『魔法少女マジカルハート』(2022年)
ーその後、2022年の11⽉3⽇に、第1作⽬のゲーム作品『魔法少女マジカルハート』をリリース。
ー今回のインタビューにあたってプレイさせていただいたんですけど⾯⽩かったです。
ありがとうございます。
ー内容はめちゃくちゃハードでしたが。
そうですね。内容がハード過ぎてDLsiteさんから「グロテスク表現あり」って注記をつけられてしまいました。あれ、サークルがつけるんじゃなくてDLsiteが作品を審査してつけるんですよ。

ーあ、勝手に書かれるんですね笑。
そうです。勝手に注記がつけられちゃうんですよ。
ーそんな『マジカルハート』はどういう着想で生まれたんですか?
私、初めにこの手のRPGエロ作品を初めてプレイしたのは「VHゲーム」で、あれが原体験になっていると思います。「VHゲーム」は参考にしていますね。
ー特に、着せ替え要素とかその辺りの部分ですかね。
そうですね。


SNS、支援サイト戦略
ーところで、こんな表を見つけたんですけど。

はい。DLチャンネルの宣伝用で作った表ですね。
ーまず2022年10月24日、製作開始数日で早速バズっていますけど、狙いにいった?

そうですね。Bakinという新しいツールを使って『はずかしーなちゃん』を作っていまして。Bakinは少ない手間でわりとリッチな3Dの画面になるので、それを全面に押し出して新鮮な印象を与えたいなという狙いで投稿しました。結果良い反響を得られたかなと思いますね。
女の子が産まれたままの姿で都心を徘徊する同人ヘホゲ第2弾デモ pic.twitter.com/wWd67yPczE
— ヌケル@C102(土)西む20b (@nomorenukeru) October 24, 2022
ーヌケル先生はほぼ全てのSNSを活⽤されてますが、具体的にどういった狙いがあるのでしょうか。
イラストレーターやゲームクリエイターはX(旧Twitter)を利用される方が多いと思うんですけど、ご存知の通り、X(旧Twitter)ってシャドウバンが、今に始まったことではなく昔からありまして。あと、X(旧Twitter)だけやってもフォロワー繋がりでRTされて拡散されるという仕組みなので、継続的にpostしても同じ人にしか伝わりにくい。
ーそうですね。
であるならば、複数のSNSやチャンネルを持っていたほうが自分の作品を広めていけるかなと思いまして。X(旧Twitter)とPixivはほとんど全ての方が利用していると思いますけど、私は『はずかしーなちゃん』からTikTokを積極的に利用しました。
ーなるほど。tiktokについて詳しくお伺いしてもよろしいでしょうか。
TikTokはX(旧Twitter)と比較するとはるかに性的なコンテンツに厳しいんですけど、システム上、0フォロワーであっても300再生くらいはオススメに表示されるので、最低限の再生数は確保されるのと、その動画が評価されればさらにオススメ欄に表示されるということでかなり新規参入に優しいシステムなんですね。そこで『はずかしーなちゃん』のゲーム画面を面白おかしくして投稿しました。性的コンテンツで削除されることも多かったんですけど、おかげさまでバズった投稿もありまして、『はずかしーなちゃん』の宣伝を中心に投稿を続けて半年程度で1万フォロワーを達成しました。(現在は15000人超)
@kawaisonukeru
結果的にプロフィール欄にX(旧Twitter)のアカウントリンクを乗せることで、X(旧Twitter)のフォロワー数も増えるので、複数のSNSを運用することによる相互作用みたいなものは感じますね。
ー私ツイッターしかやっていないので、ひとつのSNSに頼り切るっていうのが個⼈的にも⼼配なんですよね。
私、13回くらいX(旧Twitter)凍結されていますよ笑。
ー笑。13回?笑。
はい、上には上がいるんですけど。ですから、X(旧Twitter)に依存する危険性は身に沁みて感じていますね。
ー「1回凍結したら同じ端末でアカウント作り直しても凍結されやすい」とかそういうのではなく、単純に13回凍結された?
それも含めてですね。両⽅あると思います。
ーなるほど。
繰り返し何らかの違反をしたいうのもありますし、それで同じ端末とか使っていればさらに目をつけられやすくなると。そういう複合効果で積もりに積もって13回という感じになりました。
ー笑。先ほどもお話いただいた通り、TikTokは性的コンテンツの厳しさもあると思うんですけど、他の⾯で難しさってありますか?TikTokって流れてくるコンテンツが強すぎるので、普通のクリエイターさんがtiktokやって効果得られるのかなっていうところでちょっと疑問だったんですけども。その辺りで特に苦労はされなかった?
基本的には動画サイトなので、イラストレーターの場合は動画を作る手間はあるのかなと思います。例えばメイキング動画とか。そういう動画を作らなきゃいけないという部分が一般的にイラストレーターさんが参入する上でのハードルになるのかなと思いますね。
ーなるほど。
ただ、私の場合はゲームなので。ゲームって動くじゃないですか。それを撮影するだけで何らかのコンテンツにはなるんですよね。私の場合は全年齢で公開できるゲームとしての面白さとか笑えるシーンをゲームを作る段階から入れておいて、それを切り抜いてTikTokやYouTubeにあげたんです。ひたすらキャプチャを切り取ればいいのでゲーム制作を進めて動くものがある段階になってからは投稿するものがなくて悩むということはなくなりましたね。
ーはえー、なるほど。
あと適当にイラストと音楽をつけて適当に動かすだけで結構再生されたりするので。
ーてってってーてて、ててててってててーってやつですよね(音痴)。
@kawaisonukeru #bluearchive #ブルーアーカイブ #ブルアカ #バニーガール #bunnygirl #便利屋68 #陸八魔アル #浅黄ムツキ #鬼方カヨコ #伊草ハルカ アルちゃんが変な仕事とってきた
そうです。
ーおそらく普通の人の3倍くらいのSNS、支援サイトを運用していると思うんですけど、大変じゃないんですか?
そうですね。以前はイラストで支援者だけ観られる有料コンテンツを作っていた時期もあったんですけど、最近はかなりゲーム制作が忙しくなってきてイラスト制作に割ける時間がなくなってきたので基本はゲームの進捗報告がメインになってきていますね。ゲームの進捗は何かしらあるので、それを記録しておくだけでコンテンツとしては作れるかなと。ですからコンテンツづくりで困ったことはないですね。ただ、たしかに複数運用は面倒な部分はあります。
ー見た目ほど苦労はされてない?
はい。今そこまで本気で運用できていないというのも理由としてありますが。
ー実際に複数運営していてリターンは感じますか?
そうですね。結構サイトによって反応つきやすいプラットフォームとそうでないプラットフォームがあるので、定量的になにか申し上げたりというのはなかなか難しいんですけど、体験版とか出したりとかすると結構感想をいただいたりして、そこで要望だとか価値ある意見をいただくことも多いので制作に役に立っています。
『全裸徘徊女子大生 はずかしーなちゃん (18)』(2023年)
ーその後、『全裸徘徊女子大生 はずかしーなちゃん (18)』が2023年の4月7日にリリースされました。
ー今回のインタビューの前にヌケル先生の作品をすべて拝見して、改めて『はずかしーなちゃん』を見て思ったのがかなりマイルドだなと。
そうですね。
ー私は『はずかしーなちゃん』から⼊ったのでこれくらいのノリの作品をつくる人なんだなっていう認識だったんですけども。『マジカルハート』や『紬ちゃん』を拝見して、もっと酷いのをやりたい人なのかなという印象を受けました。『はずかしーなちゃん』はマイルドに寄せていった部分はありましたか?
いえ、それは全く無いですね。「かわいそうなのは抜ける」なんですよ。基本的には通すべき軸は。過激なことをやりたいわけじゃないんですよ。
ーなるほど。
かわいそう系や凌辱系はどうしても一般的にはレイプであったりとかグロテスク描写であったりとか、そういった過激な方向にいく作品が多いんですけど、私は自分の性癖…かわいそうなのを表現する過程で必ずしも過激な描写をする必要はないかなと考えています。
ー同じかわいそうでいってもリョナとかは範囲外?
いえ、どちらも好きですね。ただ、女の子をかわいそうな目にあわせるために別にフィクションは必要ないんですよ。現実世界で起こりうることだけでも十分にかわいそうな目に合わせることはいくらでもできる。現に、世界中でかわいそうな子っていくらでもいるじゃないですか。
ーはい。
ですから、フィクション的な方向で過激なことをやるというよりは、こう…現実でありがちな生々しいシチュエーションが好きですね。『はずかしーなちゃん』はそういった点をクローズアップして、結果として描写としてはマイルドになったのかなと。
ーなるほど。「かわいそうなのは抜ける」という大きな器の中で、今回たまたま『はずかしーなちゃん』の舞台がフィーチャーされて結果的にマイルドになったが、過程でマイルドにするかハードにするかは意識してないと。
そうですね。
ー『はずかしーなちゃん』のなかで一番のお気に入りのシーンってありますか?
そうですね。全般的に露出モノ系で固めたのでわりと好きなシチュエーション、好きなシーンは多いんですけども。
ー強いてあげるとするならば?
はずかしーなちゃんですと…現行犯逮捕は好きですね。
ー笑。めちゃくちゃ良いですよね。映えますしね。
はい笑。
ー制作ツールは先程もおっしゃっていただいたBakinですけど、かなり制作は大変だったんじゃないでしょうか。私素人なので、その苦労を全て量り取ることは難しいんですけど、実際のところいかがでしたか?
そうですね。大変なところがあったとするならば、他にBakinでゲームを作っている人がいなかったという点ですね。2022年の10月に出たツールだったので、ゲームの進捗を上げていた人は周りにポツポツといたんですが、しっかりと一通り遊べるゲームが全く出ていなかったところからスタートしました。ですから、そのツールでどのような作品が作れるのか全くわからない状態だったというのが大変な点としてひとつありました。
ーなるほど。
そういった状況だったので、X(旧Twitter)で同じBakinを使っている人と情報交換したり、あと、BakinはSmileBoomという会社が作っているのですが、SmileBoomの社長の方とDMでやりとりしていました。その社長は結構愉快な人で、「Bakinでここ困ってます」って呟いたら、リプライでシュバババッと現れて「ここはこうするんです。」という感じで教えてくれるんです。とてもフレンドリーな方でしたね。
ーそうなんですね笑。
あとBakinはアーリーアクセス版のツールなので、制作途中で機能が拡張されたり、仕様が変更されたりしたので、そういうところで作品作りに影響することもありましたね。

ーBakinで1作品作られて、率直にいかがですかね。Bakinを他の方におすすめできますか?良いところと悪いところを教えて頂きたいです。
そうですね。わりとゲーム制作の難易度は低いと思います。『マジカルハート』ではRPGツクールMVを使っていたんですけど、RPGツクールの制作経験がある人であればスムーズに作れるんじゃないかなと思います。RPGツクールを使った経験があって新鮮な映像を作ってみたいなという人には「アリ」なのかなとは思いますね。デメリットとしては拡張性の問題がありますね。Bakinは内部の仕様が公開されていなかったり、機能上無理が生じるという部分がありますので。あと要求スペックが高くなりがちですね。最適化の問題もあるんでしょうけど、重くなりがちと言いますか。
ーなるほど、良い面もありつつ、拡張性とか要求スペックの高さとかで難しい面があると。2回目Bakinで作ることは考えていらっしゃいますか?
そうですね。次回作はUnityで制作しているのでしばらくBakinで作ることは無いとは思いますが、選択肢には入るかなと思います。なにかBakinで作る必要があるゲームのアイデアがあればBakinを使用する可能性はありますね。
『売れない生き遅れ同人声優の商売道具の産廃喉マンコをオナホとしてリサイクルした件』(2023年)
ーその後、音声作品『売れない生き遅れ同人声優の商売道具の産廃喉マンコをオナホとしてリサイクルした件』が『はずかしーなちゃん』の直後にリリースされましたね。
そうですね。(『はずかしーなちゃん』の発売後)2週間くらいで出ましたね。
ー私もちろん聴いたんですけど、その…素晴らしかったですね。
私も気に入っていますね笑。
ーこれよく声優さん受けていただいたなと思って。その辺りのエピソードをぜひお聞かせいただきたいのですが。
そうですね。声優さんの方はすごいプロフェッショナルに仕事に打ち込んでおられる方なのでこの人なら受けてくれるだろうと信頼して仕事を発注させていただきましたね。全力で応えていただいたので非常に満足のいく作品に出来上がったと思います。
ー御子柴泉さん。演技メチャクチャ上手ですもんね。
非常に上手いですね。以前も御子柴さんの音声作品を主にゲーム作品で拝聴したことがあって、地声に近づけた演技が良かったなと思って。今回は以前聞いたときよりもさらに上を行くような演技をしていただいたなと思いますね。非常に満足のいく作品に仕上がりました。
ー音声作品のクリエイトに全く関わったことがないのでお伺いしたいんですけど、これは実際にヌケル先生の場合はスタジオで収録された?
そうですね。
ー素人の興味本位の質問で恐縮なんですが、私が想像するスタジオ収録ってガラス張りの向こうに演者さんがいて、こちら側にディレクター陣がいるイメージなのですがその認識であってますか?
この音声作品では私はリモートで立ち会いましたね。Discordじゃないんですけど、もっと音質を重視したリモートのシステムがございまして、そこでディレクションをするという形でしたね。
ーほえー。リモートで。そんなことできるんですね。
そうですね。スタジオさんによりけりですが。私の場合はリモートでおこないました。
▲オススメです。
『VTuber 生実況子(いくみきょうこ)』(2024年?)
ー次回作について、改めてゲームコンセプトをお伺いしてもよろしいでしょうか。
はい。もうタイトルをご覧頂いた通り、Vtuberとその中の人…いわゆる「魂」が主人公のゲームになっています。基本的には配信をしていって、チャンネル登録者数100万人を目指していくなかで、様々なかわいそうなことが起こるゲームになっております。炎上したり、チャンネルBANされたり、中の人を特定されたり、自宅凸されたり、妊娠中絶したり、高校退学させられたり、自殺未遂したり。結構、現実に沿ったYouTube関係Vtuber関係の事件を時事ネタチックに取り上げたりしているので、Vtuber好きな人も嫌いな人も楽しめる作品になると思います。

ーかなりヌケル先生の本領が発揮されそうな作品で非常に楽しみですね。
ありがとうございます。
ーこの流れで水を差すようで恐縮なのですが、最近、価値観の多様化が進んできて、(ヌケル先生が過去作で描かれてきた)従来の「社会的地位の転落」というものがなかなか起こりにくくなっているという印象があるんですけど、そういった現実世界の流れについてヌケル先生はどう思われていますか?
そうですね…、現代の流れとかそういう話とは少しずれるんですけど、私、好きなセリフがあって。昔、「お嫁に行けない」って表現あったじゃないですか。あれ、セリフとしてはすごい好きなんですよ笑。あまりに恥ずかしい姿を晒して、社会的評判がさがって、旧来の社会では女性の幸せとみなされる「結婚」というものができなくなる悲惨さや悲壮感。そういったものが結構好きなんですよね。ただ、私、思想としてはかなりリベラル寄りなんですよ笑。
ー!?そうなんですね笑。
おそらくかなりリベラル寄りだと思います。ですから、当然お嫁に行く…もう「お嫁に行く」という表現自体が(リベラル的観点でいうと)あまり好きじゃなくて、幸せのありかたを絶対的に決定して、恥ずかしい姿を晒したら社会的低評価を受けることに反発する気持ちが無いわけではないんですよ笑。
ーはい。
でも、「かわいそう」じゃないですか。
ー笑。
そうなんですよ笑。だから結構難しいんですよ。価値観として古臭いなと思いつつ、「お嫁に行けない」みたいな表現は作中で使いたいなという誘惑はあるんです。そういう意味でジレンマ的なものはありますね。
ーなるほど。
「かわいそうなのは抜ける」のテーマに沿うものであれば使いたいですが、その一方でその発想古臭くね?みたいな気持ちも生まれるんです。基本的には現代を描きたいんですよ。次回作も現代ですし。ですから、旧来の価値観も取り入れながらバランスをうまいこと取って、かわいそうな作品を作りたいですね。
ーありがとうございます。ところで(主人公の設定に学生が多い理由として)学生にすると閉鎖的なコミニュティになりやすいからかわいそうな状況を描きやすいというのはある?
いや、むしろ狭いコミニュティというよりはSNSの反応とかの方が大事かなとは思いますね。
ーああ、なるほど。(『マジカルハート』の)ころけんまとかそういう意味でのチョイスということですか。

そうですね。被害に合われた方には非常に申し訳ないんですけど、すごい好きなんですよね。あれ女の子がやられたらたまったもんじゃないですよね。下着盗まれたりとか。卑猥なポスターを自宅周辺に貼られたりとか。卑猥な姿を写したシールを貼った硬貨を近くの自販機に投入されたりとか。ああいうネタが好きなんですよ。

ー笑。当時、例の件を2ちゃんのまとめとかで観ていたクチなのですごい懐かしいなと。
笑。
ー当時も絶妙な時代でしたよね。ネットの発達と社会的地位の重要性の間で起きた悲劇というか。
そうですね。まあというより法律ですよね。ネットって昔は何でもありというか、やりたい放題な部分があったと思うんですけど、最近は厳しくなってきて「法律遵守しましょう」みたいな流れですよね。ちょうどその過渡期におきた非常に不幸な事件だったと認識していますね笑。最近は殺人予告するとちゃんと逮捕されるので、その残滓も消えつつあるのかなと。
ー少し残念ではある?
笑。そうですね。「かわいそうなのは抜ける」的には残念ですね。
ー(YAZAWA!?)

ーそういったヌケル先生の常識人的な部分と、「かわいそうなのは抜ける」という性癖とのギャップで苦労されることはないんですか?
それは無いですね。逆に聞きますけどそういう場面ってあります?
ーかわいそうなことを女の子にしていることが会社の人にバレるとか?
でも会社の親しい人にはたまに(女の子にかわいそうなことをしている)動画とか見せたりしますよ?
ー笑。流石ですね笑。
多彩すぎる趣味&エピローグ
ー趣味の部分もお伺いしたいんですけど、海外旅行よく行かれますよね?
そうですね。
ー最近ってどこ行かれました?
今年は、アメリカとマダガスカルとタイくらいですね。
ーほえー。今まで何カ国くらい行かれました?
地域で数えると40くらいですかね。
ー思い出深い場所はありますか。
結構楽しいところが多かったんですけど、例えばロシアとかウクライナとか。あとは珍しいところで言うと、北朝鮮とかですかね。
ーえええ!すごい!よく入国できましたね。板門店を北から観たということですか。
はい。板門店行きましたよ。
ーやっぱり監視されるんですか?
旅行中常に監視されていますね。なんなら監視員も2人でペアになってお互いを監視しあっていますね。
ー笑。じゃあ1人で行っても常に3人行動?
そうですね。基本的には常に2人ついていると考えていただいて良いと思います。
ー写真も制限される?
基本的には許可もらってから撮ったほうがいい感じですね。ただ、言えば大体撮らせてくれますよ。入国に関しても特に他の国と比べて特別な手荷物検査とか無かったですし、カメラやスマホも持ち込めましたね。
ーなるほど。あとは…DLsiteのクリエイター一斉調査で趣味の欄にナンパって書いてあったんですけど。
今は結構休んでるんですけど、一度やってみたくて。当時、歌舞伎町の辺りで挑戦していたんですよね。わりと股の緩そうな女の子がいるかなと思って。
ーほえー、ナンパってどれくらいで成功するものなんですか?
そうですね。あんまり数えたりはしていなかったんですけど、まあ中々基本は成功しないものだと思っていただいた方が良いですね。数撃ちゃ当たる戦略でいっていましたね。ただ、一度やってみるのはオススメです。
ー笑。すごい。流石のメンタルですね。実際について来てくれる子はどういう子なんですかね。
そうですね。傾向。…偶然かもしれないんですけど、なぜか二の腕あたりに傷がある子が多かった気がしますね笑。
ー笑。声をかけるの緊張とかしないんですか?
緊張はしますよ。ただ一期一会というか。断られても何のダメージも無いじゃないですか。緊張はしますけど緊張するだけですね。
ーなるほど。(成功するかわからない)ランダム感も魅力だったりする?
割りと面白いですね。ハント的な魅力はありますから。そういう意味でいうと狩猟本能に則した趣味なのかなと思いますね。
ー笑。そろそろ最後になるのですが、人生で最も大事にされている言葉はありますか?
特に無いですね。
ーそういうのは好まれない?
考えたことも無いですね。尊敬する人物とか好きな言葉とか考えたことが無いですね。
ー笑。
人生のテーマを決めて日々生きているとかはないので。
ーそれもヌケル先生らしいお言葉ですね。ありがとうございます。最後にファンの方に一言……あります?
ファンの方に一言…、「かわいそうなので抜け!」ですかね!
ー笑。ヌケル先生、本日はありがとうございました!
ありがとうございました!
おまけ
事前質問に答えていただいたうえで、興味深い回答に対していくつか質問をしてみました。(回答のあとに理由をつけていただいています。)
1 金、銀、鉄、アルミニウムのうち、もっとも好きなのは何ですか?
2 自信をもって扱える道具をひとつあげて下さい。
3 女の顔と乳房のどちらにより強くエロチシズムを感じますか?
4 アイウエオといろはの、どちらが好きですか?
5 いま一番自分に問うてみたい問は、どんな問ですか?
6 草原、砂漠、岬、広場、洞窟、川岸、海辺、森、氷河、沼、村はずれ、島。ーーどこが一番落ち着きそうですか?
7 白という言葉から連想するものをいくつかあげて下さい。
8 好きな匂いを1つ2つあげて下さい。
9 もしできたら、「やさしさ」を定義してみて下さい。
10 一日が25時間だったら、余った1時間を何に使いますか?
11 現在の仕事以外に、以下の仕事のうちどれがもっとも自分に向いていると思いますか?指揮者、バーテンダー、表具師、テニスコーチ、殺し屋、乞食。
12 どんな状況の下で、もっとも強い恐怖を味わうと思いますか?
13 何故結婚したのですか?(していないのですか?)
14 きらいな諺をひとつあげて下さい。
15 あなたにとって理想的な朝の様子を描写してみて下さい。
16 一脚の椅子があります。どんな椅子を想像しますか?形、材質、色、置かれた場所など。
17 目的地を決めずに旅に出るとしたら、東西南北、どちらの方角に向かいそうですか?
18 子どもの頃から今までずっと身近に持っているものがあったらあげて下さい。
19 素足で歩くとしたら、以下のどの上がもっとも快いと思いますか?大理石、牧草地、毛皮、木の床、ぬかるみ、畳、砂浜。
20 あなたが一番犯しやすそうな罪は?
21 もし、人を殺すとしたらどんな手段を選びますか?
22 大地震です。先ず何を持ち出しますか?
23 宇宙人から<アダマペ プサルネ ヨリカ>と問いかけられました。何と答えますか?
24 何のために、あるいは誰のためになら死ねますか?
25 女性のどういう性質にもっとも惹かれますか?
26 何故、今回のインタビューに答えたのですか?(当日質問)
『谷川俊太郎の33の質問』『海のビー玉』より抜粋。一部改。
1 金、銀、鉄、アルミニウムのうち、もっとも好きなのは何ですか?
ーこれなんですけども。
この言葉めっちゃかっこいいですよね。
ーはい。スティーブ・ジョブズの⾔葉ですよね。
はい。そうですね。
ージョブズのお父さんってシリア移民だったんですね。勉強になりました。
バンクシーの絵画のタイトルなんですよ。『シリア移民の息子』っていう。ジョブズがMacintoshを持ってる風刺画があるんです。
ーほえー。勉強になります。

ーバッドはもちろんしんどい吐きそうな感覚だと思うんですけど、バッドに入る前に良いところがあるじゃないですか。ちょっと。
はい。
ーあの時はどんな感覚でした?
あれは結構高揚感としては良かったですね。適量吸うと物理的に遠くまで見えるというか、視界が広がる感覚がありますし、音楽を聴くと今までと違った感覚を得られますね。多分、三半規管が狂ってるだけなんだと思うんですけど。ただ、次第に精神が別次元に持っていかれそうな感覚に襲われて、今まで感じたことのない喉の乾きと吐き気に襲われてつらい思いをしましたね。喉からあらゆる水分がなくなって、気道がキューっとしまって呼吸困難になるんじゃないかと錯覚していました。
ー笑。
正気が保てなくなりそうだったので、定期的に鏡を見て自我を取り戻そうとしていましたね笑。
ー笑。これ〇〇〇って文言載せていいんでしたっけ?
どうなんでしょう?ぼかしたほうが良いんじゃないですかね笑。ただ私、平然と支援サイトにブロッコリーを試してみましたという記事を書いてるので笑。
https://ci-en.dlsite.com/creator/14622/article/963025
▲ブロッコリーって一体何なんだ…?
ー笑。あれメチャクチャ笑いました。有料課金して読もうかなと思ったくらい笑。
笑。
ーこれは?
どちらかといえば猫と交配すれば向上するのは人間の方じゃないですか。という客観的な意見ですね。
ー身体能力的な部分で?
いえ、生物として猫の方が上位なので。
ーなるほど。脳は退化するようにも思えるのですが。
人間って猫と比べて何か脳を有効活用していますかね?あまりしていないですよね。
ー猫の方が有効活用していると?
そうですね。無駄なことに使っていないですよね。
ー確かに。
ー通常殺人と快楽殺人という分岐があるのが流石ですね。
この質問がどういう意味かなと迷ったので。
ーたしかにこの質問はその前提が抜けていますね。快楽殺人の場合はこういうことをすると?
そうですね。「今から人を殺して良いです!」「やったー!」となったら快楽殺人の方ですね。
ー笑。
で、現実社会でどうしても殺したい人がいてどうしますか?となったら上(通常殺人)の方ですかね。
ーなるほど。
ー笑。まず素晴らしい回答ありがとうございます。
いえ。
ー補足ありますか?
いや、特にはないですね。なんかこういう女性に突きつけられた運命とか結構エモいと思っていて、そのエモさって「かわいそうな抜ける」として昇華できる部分なので非常に気にいってますね。
ーこれ最後の最後の方に載るんですけど大丈夫ですかね。
大丈夫です。
26 何故、今回のインタビューに答えたのですか?(当日質問)
多少なりとも宣伝になればという感じですかね。
ーヌケル先生はきっとそう仰ると予想していました。
その通りですね。
ーありがとうございました!
完。